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医薬専用仕様
2-1 機械設備のGMP

1.GMPに適合した機械設備であるための要件
医薬品の製造に関する基準(GMP)に適合した機械設備であるために以下の要件を満たしていなくてはならない。

  • 機械設備は行われる作業に適したように配置され、設計され、構成され、改造され、保守されていることが必要である。そのレイアウト及び設計は、誤操作の危険を最小にし、交互汚染、塵埃の堆積などで、製品の品質に悪影響を及ぼすことのないように効率よく洗浄保守が出来るようになっていなくてはならない。
  • 機械設備は誤操作や汚染の危険がないように配置されていること。
  • 固定配管は内容及び流れの方向を明示したラベルをつけること
  • すべての供給用配管、装置には適切な表示がなされ、危険性ガスや危険性液体とは接続できないよう構造上特別な注意をはらうこと
  • 適切な測定範囲および精度を持った天秤および計量器が、製造および試験作業のために設置されており、定期的に校正されていること。
  • 製造機械設備は、定期的に容易かつ完全に洗浄出来るように設計されていること
  • 清掃、洗浄に用いる機器は汚染源とならない物を選定し、使用すること。
  • 製造設備は製品にいかなる悪い影響も与える物でないこと。製品と接触する製造機器の部品は、製品の品質に影響するような反応性、付着性あるいは吸着性を有していないこと。
  • 故障した機器は、出来るだけ製造および品質管理区域から撤去すること。撤去しない場合でも少なくとも「故障」と表示したラベルを貼ること。

2.GMP用語解説

GMP(Good Manufactuaring Practice)
製品が常に初期の用途に合致した品質基準および承認許可書の要件に合うように製造され、管理されていることを保証する品質活動のの一部である。

バリデーション
バリデーションとは手順、工程、機械設備、原材料、行動、システムのいずれもが初期の結果を与える事を立証する成文化された行為のことをいう。

キャリブレーション
一定の条件下で機器あるいは測定システム(特に秤量において)、記録器、及び制御機器により示される値あるいは測定で得られた値とそれに対応する公定標準品の既知の値との相関を確立する一連の操作をいう。あらかじめ測定結果の許容範囲を定めておくこと。

IQ(instration Qualification)
据付時適格性確認

OQ(operational Qualification)
稼働性能適格性確認

GMPテクニカルレポート  WHO GMP (厚生省薬務局監視指導課 監修)より抜粋


3.GMPに適合する装置の点検項目

  1. 医薬品または医薬品成分と直接接触する機械部分が、医薬品の本質、力価、品質、純度に対して、反応、付加、吸着などの悪影響を及ぼさないように配慮しているか。
  2. 機械はその運転のために必要とされる潤滑油や冷却剤が医薬品製品中に混入しないで使用できる構造になっているか。
  3. 機械は必要な清掃、洗浄、調整、メンテナンスが可能なような、また先行作業などによる汚染の可能性を防止できるような構造であり、またそのように配置しているか。
  4. 機械は、再使用前に完全に清掃洗浄され「使用可」と表示することにより識別しているか。
  5. 器具や工程内使用コンテナもまた、完全な清掃、洗浄が可能な構造となっているか。

GMP自己点検ノート(GMP研究会)より抜粋

2−2 塵埃対策
医薬を扱う装置として必要な絶対条件として、製品を汚染しないということがあげられる。その対策として、乾燥機外部からの塵埃の混入防止、装置から発生する塵埃の混入防止、高い洗浄性が求められる。

1.空気からの塵埃
乾燥機外部からの塵埃の混入防止対策として、乾燥機吸入部にフィルターを配置する。循環式の乾燥機の場合、吸気部分だけにフィルターを設ける場合と、乾燥室直前直後に循環フィルターを設ける場合がある。コンタミ防止の上でより信頼性の高いのは後者であるが、大きなフィルターが必要な上、飛散した粉も捕集しなくてはならないので、交換頻度も高いため、ランニングコストが高い。(図7)
循環式の乾燥機は、乾燥機内にファンがあり、その中心部は陰圧になるので、軸部分をシールし乾燥機外部からの空気の侵入を防ぐ。(図7,8)
乾燥機停止時は風の流れがなくなるため、屋外の排気口の風の影響で排気ダクトから逆流して、乾燥後の粉体を汚染させたり吸湿させることがある。それを防止するため、密閉式ダンパーを設け、エアシリンダー等で開閉し、外気と遮断する。(図7,8、9)

2.台車からの塵埃
通常の台車式乾燥機のように、台車ごと乾燥機内に入れてしまうと、車輪に付着したごみが製品に混入するおそれがある。それを防止するにはいくつかの方法がある。
台車クランプ方式は乾燥台車をダクト状に設計しそれを挟み込むようにして台車をクランプし、乾燥室内に台車の車輪を入れない構造である。(図7)
並行流乾燥機の場合、車輪を乾燥機の床下に潜り込むようにして、トレイ部分だけが機内に入るという構造である。(図8)
また、内台車、外台車方式は床面を走行する台車の上に、乾燥室内を走行するトレイ台車を乗せ、乾燥機に、トレイ台車だけを入れる構造である。(図9)

3.装置から発生する塵埃の混入対策
装置から発生する塵埃のとして、Vベルト、摩耗粉、腐食物質がある。
乾燥機をクリーンエリアに設置する場合は粉塵の発生源となるため動力部分にVベルトを使用しない。摩耗粉の発生を防止するため可動部には部品同志のこすれがないようにする。また、材質は通常、SUS304を使用する。腐蝕性のある品物を扱う場合など、SUS316を使用する場合もある。特に酸を含む場合、トレイにテフロンコーティングやホーローを施す場合がある。
乾燥機の内部の壁面の溶接を全溶接にして、保温部との間を完全にシールし、保温材の混入をなくす。

4.トレイ
粉体が直接触れる部分がトレイである。
並行流の底皿式であっても、比重が軽く飛散し易い粉の場合、飛散防止布をかぶせて乾燥機にかける場合も有る。
飛散防止布は、通常通気性の良いテトロンの布を使用している。

図14 パンチングトレイ
通気式乾燥機の場合、また、金網は使用せず、パンチングで底を打ち抜いたものを使用し、飛散防止布をかぶせる方法を採用している。
図15 トレイ角部詳細
角の部分は粉溜りが出来ないようにR加工し、バフ加工を施す。
図16 テフロンコーティング
耐酸性、耐薬品性、付着性を考慮する場合
   
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